ミャンマー地震支援レポート

ミャンマー地震支援レポート

4月7日から18日までミャンマーに行って来ました。この旅行は以前から予定していて飛行機のチケットも買っていたのですが、その出発10日前の3月28日に、ミャンマーでマグニチュード7.7の大地震が起きたのです。震源地に近いマンダレーやサガイン、またインレー湖上にある村で多くの建物が倒壊しました。死者数は正確には全く分かりませんが、5千人を超えると言われています。今回被害が大きかったこのマンダレー、サガイン、インレー湖は、どれも私がミャンマーに住んでいた頃に活動した地域で、今回も訪問を予定していた所なのです。ニュースを知ったとき「これは大変な旅行になるな」と思いました。実際、多くの人々から心配されました。それでも旅行をキャンセルしようとは全く考えませんでした。「恐れていたら何もできない。地震が起きる前からこの訪問地を予定していたのも導きだ。こんなときだからこそ、行く意味がある。大変なときの友こそ本当の友だ。苦しんでいる彼らのそばに行って助け、慰め、寄り添い、力づけたい」そう考えました。それで何はともあれ行こう、と決心したのです。すると、私がミャンマーに行くということを知った多くの人々が、私のところに義援金として献金を送ってくれました。その中には、私が全く会ったこともない人も多くいました。全部で何と144人もの方々が合計377万円以上もの貴い献金をささげてくださいました。私は本当に驚き、感激し、心から感謝し、主のみわざを賛美しました。と同時に今回ミャンマーに行くことの責任の重さを実感しました。こんなに多くの方々がささげて、ミャンマーのため、そして私のために祈ってくださっている。そう考えると、身が引きしまる思いでした。

 4月7日新千歳空港からバンコク経由でヤンゴンに着きました。次の日に銀行に行ったら、制限があって一度に多くの金額は引き落としたり送金したりできない、と言われました。私はがっかりして、一体どうしたらいいのか悩みました。そうしたら、そこの職員が「モバイル・バンキング」というのを申請してスマホにアプリを入れれば、制限なく送金できる、と教えてくれました。そこで早速その通りにして、後で全ての送金を済ませることができました。また今回の旅行では移動が心配事でした。当初はヤンゴンからマンダレーまで飛行機で行く予定でした。しかしマンダレー空港は地震のため閉鎖されて、飛行機はキャンセルしました。そこでバスで行くことにしましたが、道や橋が損傷していて迂回していくので、10時間以上かかる、というのです。しかも外国人は検問所でチェックされて止められてしまう、という情報もありました。色々調べましたが、とにかく行ってみないと分からないので、必ず行けると信じて、信仰によって行くことにしました。それでバスに乗って座席に座ってみたら、そのバスのフロントガラスに何と「THY KINGDOM COME, THY WILL BE DONE IN EARTH, AS IT IS IN HEAVEN」(御国が来ますように。御心が天で行われるように地でも行われますように)と大きな字で書かれているではありませんか!私は驚いて、それを何度も口に出して読み返し、宣言しました。主が私に「あなたが行くのは主の御心だよ」と語りかけ認めてくださったのだ、と信じました。これによって私は大きな励ましと平安を得ました。後で聞いたら、そのバス会社のオーナーはクリスチャンだ、とのことです。そして実際、検問で何も問題なく通過し、道も思ったほどガタガタせず行けました。約11時間かかりましたが、無事にマンダレーに着くことができました。ハレルヤ!

 また今回、マンダレーでの宿泊も心配でした。地震によって多くのホテルが閉鎖されました。多くの人が家を失い、また余震が続くため、人々は道路にテントや蚊帳を張って寝ていました。停電して水もなく、食料やガソリンも不足して、とにかく大変な状況だ、と聞いていました。しかも今はミャンマーで一番暑い時期で、40度を超すのです。もしかしたら私も外のテントで寝て、何日もシャワーができないのでは、と覚悟していました。しかし着いてみて現地の牧師先生に案内されたホテルは電気も水もあり、きれいで快適でした。その先生はこう言いました。「色々調べてみたけど、他の所は軍や警察がチェックしていて危ない。でもこのホテルのオーナーは有力者だから安全だ。」その先生は私の身の安全を深く考えて、そこを選んでくださったのです。また私が隣町のサガインに行くときも先生は「軍が検問していて危ないのに、何かあってはいけない」と思って、一緒について行ってくれました。そしてサガインに行く途中の検問では、何もチェックされず無事でした。先生の守りと責任感、愛の配慮、そして判断力に、私は感動して心から感謝しました。

 今回マンダレーで私を責任もって守ってくれたのは、エルベテル教会のタウンオル先生です。私たち一家は2010年から2015年までの5年間、この教会と協力して一緒に伝道と弟子養育をしていました。今回献金を手渡したら、本当に喜んでくれました。それで早速、救助活動のための水やお米、伝道用小冊子などを買って、次の日には被災地に行って配布していました。日本からの献金が、このようにすぐに必要な所で用いられるのを見て、うれしかったです。またその他に、私が以前から親しくして一緒に活動したハッピーファミリー聖書学校、トリニティ教会、Ignite(燃える)教会のギンボイ先生、サガイン教会のソーエーワ先生にも会いに行きました。彼らの教会も、建物の被害はありましたが死者やケガ人はありませんでした。彼らと久しぶりの再会を喜び合い、積もる話をして、献金を渡し、祈り合いました。

 4月12日にはマンダレーを離れてインレー湖近くのニャウンシェ町へ向かいました。タクシーで約7時間かかりました。途中の検問で銃を持った軍人たちがいてパスポートをチェックされたので、とても緊張しました。でも何事もなく通過できました。主の守りに感謝!13日にはニャウンシェのガユナー教会で主日礼拝を共にしました。この教会のバザ先生は2017年から2020年までの4年間、私たちと一緒に開拓してきた同労者です。2020年に私たち一家が日本に帰国した後、コロナやクーデター、洪水など、様々な困難に直面しました。しかし教会は成長し続け、今では主日礼拝に100人以上が出席しています。私は昨年の7月と11月にもこの教会を訪問しました。今回のメッセージで私は「地震をどう考えるか」という題で、ヨハネ16章33節から語りました。「これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました。」この聖句は、私が今回旅行前に主から示されて、とても力づけられたみことばです。今回予定していたセミナーはできませんでしたが、主のみことばを伝えることができて感謝でした。

 今回の地震で、インレー湖上にあるゲラ村は大きな被害を受け、800以上の家が倒れたとのことです。そこには未伝道部族であるエンター族が住んでいて、ガユナー教会のメンバーもたくさんいます。みんな親戚の家やテントなどに移って避難生活をしていました。それでも信者の中で死者やケガ人が一人もいなかったのは、本当に奇跡でした。バザ先生は私と、ゲラ村で活動しているイェマッスェ伝道師を呼んで、今後の復興計画について話し合いました。先生はこう言いました。「今回家々が倒れた所は水上なので、がれきを取り除くだけでも何か月もかかる。しかも地盤が悪く、その場所に家を建て直しても、また洪水や地震が起きる可能性もある。でもゲラ村からボートで15分ぐらいの陸上にあるカンペ村に、広くてちょうど良い土地と家がある。そこを買い取って被災者やその家族たちが住んで、その場所を主日礼拝や伝道活動もできる宣教センターとして長期的に活用したらどうか。」この提案に、私もイェマッスェ伝道師も喜んで賛成しました。今回私が持ってきた献金で全体額の約3分の1をまかない、残りはガユナー教会やイェマッスェ伝道師の家族が拠出すれば、何とか購入できるだろう、とのことです。必要は満たされると信じて信仰によって決心し、この計画を進めることにしました。震災復興には多くの時間と資金と労力がかかります。忍耐強く息の長い支援活動が必要です。私は早ければ今年の8月にこの被災地を再訪問する予定です。全ての経済的必要が満たされるように、この宣教センターを通して村人たちの生活が早く復旧して、多くの人々がキリストの救いへと導かれるように、ぜひ続けてお祈りください。

 今回のミャンマー旅行は、行く前は色々心配しましたが、行ってみたら全ての安全が守られました。出発前に私が主から受けていたみことばは詩篇121篇7-8節でした。

「主はすべてのわざわいからあなたを守りあなたのたましいを守られる。主はあなたを行くにも帰るにも今よりとこしえまでも守られる。」

そして実際、その通りに守られました。また現地の人たちに献金をしっかり渡すことができて、多くの人々が「こんな大変なときに来てくれてありがとう」と言ってくれました。私は本当に行って良かったと思いました。私の計画は変更ばかりでしたが、主の計画、主の御心は成されました。主のすばらしいみわざを賛美します。今回のために祈り、ささげてくださった多くの方々に心から感謝します。そして全てを導き守ってくださった主に感謝し、全ての栄光を主にお返しします。

(継続的な支援宣教活動のために献金したい方は、下記の口座、又はWUPM Japan ホームページのオンライン送金をご利用ください。)

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マンダレーの様子

マンダレーの様子

マンダレーでテント生活する人々

バスのフロントガラスに何と「THY KINGDOM COME」!

エルベテル教会のタウンオル先生

エルベテル教会の青年たちにみことばを語る

受け取った献金で救援物資をすぐ準備

マンダレーの被災地で救援物資を配る

ハッピーファミリー聖書学校のスタッフたち。校舎は地震で壊れたけど修理中。

ハッピーファミリー聖書学校に献金

トリニティ教会に献金

Gnite(燃える)教会のギンボイ先生に献金

サガイン教会のソーエーワ先生に献金

インレー湖上の村の家が倒壊

インレー湖上の村の家が倒壊

ガユナー教会で主日礼拝

インレー湖上のゲラ村の信者たち

バザ牧師(右)とイェマッスェ伝道師(中央)

被災者避難・宣教センターのための土地購入計画

8月には再びミャンマーへ!

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